塗り方を学ぶ

古壁(砂壁・京壁など)に塗る

カテゴリー: 塗る

住宅をリフォームする場合に多いのが、砂壁、京壁、繊維壁といった古壁です。特に砂壁がポロポロと落ちるようになったことで、壁のリフォームや修繕を考える方も多いようです。漆喰うま〜くヌレールなら、このような古壁にも直接塗ることができます!お部屋を快適にする漆喰で、自分好みの壁にセルフリフォームしてみませんか?

塗れる古壁の種類

繊維壁、砂壁、京壁、漆喰壁、土壁の他、聚楽壁も施工が可能です。古壁を塗る前にまずは壁の状態の確認をしましょう。表面が剥離したりカビが生えていたりしている場合は、下処理をしてから塗り始めます。

古壁のチェックと下準備

剥離のチェック

古壁、特に繊維壁と土壁の中には、下地から剥離しているものがあります。剥離のある古壁に漆喰うま〜くヌレールを塗ると、めくれたり、浮いてきてしまいます。壁を霧吹きなどで湿らせた後、スクレーパーなどで剥がしてから塗ってください。

表面のチェック

壁の表面を触ってポロポロと落ちる程度であれば、その上から塗っても問題ありません。ボロッと塊で崩れるような場合は剥がしてから塗ります。こちらも霧吹きなどで壁を湿らせた後、スクレーパーなどで剥がします。

カビのチェック

壁にカビが生えている場合は、カビを除去します。市販のカビ取り剤を噴霧して、ウエスなどを上から置いて少し放置した後、拭き取りましょう。この場合、カビを除去した翌日以降から、漆喰うま〜くヌレールを塗ってください。

ひび割れがある場合

ひび割れしている部分に「うま〜くヌレールテープ」を貼ってください。
貼った後は上から手で軽く抑えて、壁に密着させましょう。

へこみがある場合

「漆喰うま〜くヌレール仕上げ用」を塗りこんで、へこみ部分を埋めてください。
表面は平らにしましょう。

古壁の上に塗る手順

1. 養生

下地壁の準備が終わったら、床や壁周りを養生しましょう。
養生については、上記動画またはこちらの記事をご覧ください。

2. 1回目塗り

古壁全体に直接「漆喰うま〜くヌレール 仕上げ用」を、壁全面に塗ります。この際は、下地が透けて見える程度の薄さで、こするように塗ります。コテの面の角度の目安は、30〜45度です。コテを少し斜めにして塗ると薄く塗ることができます。
塗り残しがないように、注意して塗りましょう。

1回目の塗りが終わったら、そのまま1〜2時間ほど時間を置いて、壁を半乾きの状態(壁に塗った漆喰が手につかず、少ししっとりしている状態)にしましょう。

3. 塗り面を確認する

シミをチェック

1回目の塗りから2時間ほど経過したタイミングで、塗った漆喰に赤茶色や黄色のシミが出ていないか確認します。このシミは灰汁(アク)と呼ばれ、壁に染み込んでいたタバコのヤニや線香の煤の成分などが、漆喰の水分に誘発されて発現したものになります。アクが出た場合は、翌日以降(壁が完全に乾燥した後)に、2回目塗りの工程へ移ってください。

小ヒビをチェック

1回目の塗りの後、下地によっては髪の毛の太さほどの細かなヒビが入ることがあります。土壁などの古壁を塗った際によく現れる現象なのですが、問題はありません。翌日以降に重ね塗りをしていただければヒビは消えます。

4. 2回目塗り+模様付け

壁面のチェックをして問題がなければ、2回目塗りを行います。(アクや小ヒビが出ていた場合は、翌日以降に2回目塗りに入りましょう。)
2回目塗りは、下地が透けないように、しっかりと塗ります。コテの面の角度の目安は、20〜30度です。

模様付けのタイミング

手が届く範囲を2回目塗りしたら、同じ範囲の模様付けを行いましょう。
広い範囲を塗る場合は、一度に2回目塗りをせず、手が届く範囲で2回目塗りと模様付けを交互に行いましょう。広い範囲を一度にに塗ってしまうと、模様をつける時に最初に塗った部分が乾燥し始めて、模様が付けづらくなります。

2回に分けて塗るワケ

1回の塗りで仕上げようとすると、一気に厚く塗り過ぎてしまってひび割れの原因になったり、塗り残しが出てしまったり、予定より多く材料を使ってしまう傾向があります。手順通り、2回に分けて塗ることで、薄く綺麗に塗ることができ、結果的に仕上がりも良く、材料の節約にもなるのです!

5. 24時間乾燥

2回目塗りと模様付けが全て終わったら、なるべくすぐに養生を剥がしましょう。漆喰が乾燥してから養生を剥がそうとすると、綺麗に剥がせず、せっかく塗った漆喰壁の端がテープと一緒に剥がれてしまうこともあるので、塗った後は漆喰が乾燥する前に養生を剥がしましょう。
また「養生剥がしは上から」が基本です。床の養生は一番最後に剥がしましょう。

養生を剥がしたら、壁を完全に乾燥させます。乾燥させる時はドアを閉め切らず、通気をしてください。
サーキュレーターなどを使用してもOKですが、使用する際は、風が壁に直接当たらないように注意しましょう。(ひび割れの原因になります。)

24時間乾燥させたら、漆喰壁の完成です!

暗い色の古壁が漆喰に変わると、明るさも一気にアップ!

「古壁を漆喰に塗り替えたら、部屋が明るい印象に変わった」という声を多くいただきます。これは古壁に落ち着いた色合いが多いことの他に、漆喰の機能性の一つである明光性が関係しています。また、漆喰は畳との相性も良いので、床は変えずに壁を漆喰うま〜くヌレールで塗るだけでも、お部屋の印象を大きく変えることができますよ。こぼれた砂の掃除からも開放されて一石二鳥!