塗り方を学ぶ

成功の秘訣は養生にあり!? 正しい養生方法

カテゴリー: 準備

道具も揃ったし、早速塗ってみましょう!ーーと、その前に、漆喰DIYに欠かせない「養生」のお話です。正直なところ、養生は塗るのに比べたら、楽しいものではありません。しかし、多くの経験者が口を揃えてこう言います、「成功の秘訣は養生をしっかりすることですね」。では、なぜ養生が必要なのか? その理由と養生のポイント、そして正しい養生方法についてご紹介します。

なぜ養生をしっかりすると成功するのか?

漆喰DIYにおける養生とは、マスキングテープやマスカーテープ、ブルーシートなどを使って、柱や床を汚れから防ぐことを言います。しかし、養生は単に汚れを防ぐだけではなく、より美しく仕上げることにもつながっています。

例えば、壁と柱が接している場合。養生をせずに漆喰を塗ると、柱を汚さないためには際までしっかりと漆喰を塗ることができません。しかし、マスキングテープでしっかりと保護されていれば、端までしっかりと漆喰を塗ることができ、仕上がりが美しくなります。これは、床と接している壁も同様。この少しの差が、全体のイメージを大きく左右するのです。

上記左の画像は、養生をせずに漆喰を塗った場合です。柱に漆喰がついてしまい、壁際のラインが揃っていません。柱についた漆喰を後からスクレイパーで削って落としていますが、手間がかかりますし、柱に傷がついてしまう可能性もあります。一方、右の画像は塗り始める前に柱全体にしっかりと養生をしました。柱際のラインが美しく仕上がっているのがわかると思います。

養生の手順

①床を養生する

養生は、まず床の養生から始めましょう!
ブルーシートやダンボール、新聞紙などで床を覆ってください。敷くだけですと作業中に段々と敷いたものがズレてきて、いつの間にか床が露出していて敷いた意味がない・・ということになりますので、端は養生テープで止めましょう。

敷くものは、ダンボールや新聞紙などでもOKです!

床を汚す要因として多いのは、うっかり漆喰を落としてしまうことですが、それに気づかず漆喰を踏んでしまい、漆喰の足跡が点々と広範囲に……というのも、実はあるあるです。その点、床の全面が覆われていれば、安心して作業に集中できますよ。

②マスキングテープで、壁の周り縁などを養生する

次にマスキングテープを使って、漆喰を塗る壁の周り縁を養生します。柱やコンセントプレートなど、壁に面しているものは全てマスキングテープの養生が必要です。

どんなマスキングテープが良いの?

マスキングテープは、ホームセンターなどで販売されています。色々な種類がありますが、漆喰DIYでは「建築用」「塗装用」のマスキングテープを使用しましょう。
またテープ幅は、塗る場所に適した幅を選んでください。「といっても、どの幅が良いのか分からない・・・」という方には、18mm幅24mm幅をオススメします!幅が太いものと細いもの、2種類ほど準備するといいですよ。

マスキングテープ

ポイント1 壁から1〜2mm離してテープを貼るべし!

マスキングテープは、上記写真のように壁から1〜2mmほど隙間を空けて貼ります。
この隙間は、この後に塗る漆喰の厚みです。この隙間を作らずにピッタリと壁にくっつけてマスキングテープを貼ってしまうと、塗り終わってテープを剥がす際、テープと一緒に漆喰まで剥がれてしまい、仕上がりが美しくならないので注意しましょう。

ポイント2 角をしっかり貼るべし!

マスキングテープは施工後に剥がしやすいように、粘着力が弱めです。そのため、壁の角や隅をしっかりと貼っていないと、作業中にぺりぺり・・・と自然に剥がれてくることがあります。マスキングテープを壁の角や隅に貼る時は、指やヘラで押さえながら貼りましょう。

③マスカーテープで、壁に面する扉や窓などを養生する

最後に、マスカーテープを貼って床や、壁に面している扉や窓、エアコンなど、汚れから守りたいものを覆いましょう。
マスカーテープとは、養生シートが付いている養生テープのことです。巾木などにテープを貼った後、養生シートを広げれば、広範囲をカバーすることができます。

ポイント マスカーテープはマスキングテープの上に貼るべし

マスカーテープは粘着力が強いので、直接巾木や床板に貼ってしまうと、剥がす際に塗装が剥がれるなど下地を痛めてしまう可能性があります。こうしたトラブルを避けるためにも、まずはマスキングテープで養生をして、その上からマスカーテープを貼るようにしましょう。
またマスカーテープも、マスキングテープ同様、壁から1〜2mm程の隙間を空けて貼りましょう。

壁に面している扉や窓、エアコンなどもマスカーテープを貼ってシートで覆うと安心です!

施工後はすぐに養生を剥がすべし!

施工後は、速やかにテープを剥がしましょう。
理由はただ1つ!
漆喰が固まると、テープがきれいに剥がせなくなるからです!(漆喰は空気に触れると乾燥し始めて硬化します。)
「漆喰うま〜くヌレール 仕上げ用」を施工手順通りに仕上げる場合は、2回目塗りが終わったタイミングですぐに剥がせばOKです。以下の状況の場合は、その都度剥がし、再度テープを貼って次の工程に進みます。

  • 「漆喰うま〜くヌレール 下塗り用」を使用する場合。「下塗り用」を塗ったらテープを剥がし、再度テープ養生をして「仕上げ用」を塗ります。
  • 「仕上げ用」の1回目塗りと2回目塗りの間を半日以上空ける場合。1回目塗りが終わったら剥がし、再度テープ養生をして2回目塗りをしましょう。1回目と2回目の間が数時間であれば、貼り直しは不要です。

また「養生剥がしは上から」が基本です。剥がしている間に、テープについた材料がポロポロと落ちてきたりするので、上から剥がすのが◎!天井や高い場所の養生から順に剥がしていって、最後に床の養生を剥がしましょう。

漆喰DIYは養生8割!

漆喰うま〜くヌレールを製造販売している、私たち日本プラスターの社員の間には、ある格言があります。それは「養生8割」。漆喰DIYを含む左官作業の仕上がりの8割は養生で決まる、という意味です。当社に在籍するプロの左官社員も、現場での養生作業は手抜かりなく徹底的に行います。皆さんもぜひ、養生を大切に漆喰DIYに挑戦してください。塗り終わりにマスキングテープをサーッと剥がす瞬間の達成感は格別ですよ!